新しく生まれ変わる知的ダイエット

肥満家系でもやせられる?

肥満に遺伝が関係していることはよく知られています。確かに、同じ食事量でも体質によって太りやすい、太りにくいということはあるでしょうが、遺伝や体質はそれほどダイエットに影響するのでしょうか?

肥満遺伝子というものの解明が進んでいます。

ふつう、食べ過ぎて脂肪細胞の量が増えると、脂肪細胞からレプチンというホルモンが分泌されます。そして、レプチンは脳の視床下部のレプチン受容体と結合し、その結果、脳の満腹中枢に「もうこれ以上食べなくてもいい」という指令が送られ、食欲が抑制されて過剰なエネルギーが体内に入らなくなります。

つまり、人間の身体はレプチンの働きで自ら肥満にブレーキがかかるしくみになっているというわけです。

ところが、肥満遺伝子が異常にあると、レプチンが脳のレプチン受容体に正常に作用しなくなってしまいます。すると、食欲にブレーキがかからなくなり、たくさんの量を食べ続けるといった状態に陥り、どんどん肥満が進行してしまうのです。

このほか、肥満の原因となる遺伝子の異常の一つに、β3アドレナリン受容体の異常というものも解明されてきています。

体の内外からの刺激に反応し、人間の生命維持機能を調節するのが自律神経です。自律神経には交感神経と副交感神経の二つがあり、互いに補い合って機能しています。

昼間、交感神経の働きが活発になると、熱が発生して体温が上昇します。このとき、褐色脂肪細胞の表面にあるβ3アドレナリン受容体にアドレナリンというホルモンが結合して熱が発生し、白色脂肪細胞では、中に蓄えられている中性脂肪が分解されます。

しかし、日本人に5人に1人の割合で、このβ3アドレナリン受容体の異常が発見されます。この異常があると、交感神経の刺激があっても体温が上がりにくくなり、脂肪も分解されにくくなるので、それだけ太りやすいということになります。

このように、肥満と遺伝との関係は二つの視点から考えることができますが、だからといってダイエットをしても無駄だとあきらめないでください。

あくまでも、遺伝が肥満に関与するのは三割程度で、あとの七割は摂取カロリーが過剰であるなどの生活習慣が原因の肥満です。遺伝の影響はそれほど大きくないということです。

連載ダイエットバックナンバー