男も女も「腹やせ」ダイエット

年をとると腹が出てくるワケ

突き出したお腹の中には、一体、何がつまっているのか?

中年になったら太るもの

実際、ほとんどの人が年をとると「若いころに比べて、太りやすくなった」と実感するようになります。なぜ、人は年をとると、太りやすくなるのでしょう。

その理由として、まずあげられるのが生活習慣の変化です。

一般に、年をとると10代、20代のころに比べて、運動量が減ります。ところが、食べる量はほとんど変わらないどころか、むしろ増える傾向にあります。これでは太って当たり前です。

もうひとつの理由としては、加齢に伴う体内環境の変化です。

特異体質の人は別として、男女とも20代に比べて40代は、1日あたりの消費カロリーが約200~400キロカロリーも低くなります。つまり、20歳を超えると身体はどんどん省エネ化するため、加齢とともに食べる量を意識して減らしていないと太ってしまうのです。

加齢とともに消費カロリーが減る主な原因としては、

  • 消費エネルギーを高める働きを持つ褐色脂肪細胞の活性度が、年齢とともに弱まる
  • 筋肉量が減少し、基礎代謝量(下記参照)が落ちる
  • 脂肪分解を促す作用などがある成長ホルモンの分泌量が低下する

などがあげられます。

さて、加齢とともに太りやすくなることは、十分ご理解いただけたと思います。

それでは、なぜ、若い頃は全身にまんべんなく肉がついていたのに、年をとると腹部に集中して脂肪がつくようになるのでしょう?

実は、若い頃は皮下脂肪がつくやすいのに対し、年をとると内臓周辺に脂肪がつきやすくなるのです。一口に内臓といってもいろいろありますが、食物を吸収する小腸のまわりに、もっとも脂肪がつきやすくなります。

皮下脂肪と内臓脂肪は、見た目は同じ白色脂肪細胞ですが、中身は違います。脂肪を分解する酵素であるホルモン感受性リパーゼは、皮下脂肪にはあまりなく、内臓脂肪に多く存在しています。

成長ホルモンの分泌が盛んな20代前半までは、リパーゼも活発に働いているので、若い頃はたくさん食べても太りにくく、たとえ体重が増えても全身にバランスよく脂肪がつきます。

しかし、年をとって成長ホルモンの分泌量が低下すると、自動的にリパーゼの活性度が低下し、内臓に脂肪が蓄積されやすくなります。そのため、成長ホルモンの分泌量が急激に低下する30代になって太り始めると、お腹だけがポコンと出てくるようになるのです。

また、若い頃は筋肉によって支えられていた小腸や胃などの内臓が、加齢に伴う筋力の低下によって、次第に下垂してきます。すると、その分だけお腹の内容物が増え、お腹は膨張します。

つまり、突き出たお腹の中には、下垂した内臓そのものと、その内臓を取り巻く脂肪とがつまっているというわけです。

基礎代謝と1日の消費カロリー

人は、何もしていなくても、生きているだけでカロリーを消費しています。呼吸をしたり、内臓を動かしたりと、生命活動を維持するためにエネルギーが必要なのです。この、生きていくうえでの最低限必要な1日のカロリー消費量のことを『基礎代謝』といいます。

実生活では、この基礎代謝量に「話す」「歩く」「仕事をする」といった活動で消費されるカロリー(運動誘発性体熱産生)と食事をすることで消費されるカロリー(食事誘発性体熱産生)がプラスされます。これらのカロリーの総量が1日の消費カロリーとなり、基礎代謝量はそのうちの60%~70%を占めます。

年代別基礎代謝量

  • 20代 男性1550キロカロリー 女性1210キロカロリー
  • 30~40代 男性1500キロカロリー 女性1170キロカロリー
  • 50~60代 男性1350キロカロリー 女性1110キロカロリー
  • 70代以上 男性1220キロカロリー 女性1010キロカロリー

基礎代謝量は、遺伝的な影響も受けるため、人によって多少の違いがありますが、男女とも10代をピークに年齢とともにその量は減少していき、40代を過ぎると急激に低下します。

基礎代謝の減少を食い止め、太りにくい体を作るには、筋肉を衰えさせないよう鍛えることが大切です。基礎代謝アップに効果的な腹筋運動や腕立て伏せ、ダンベル体操などを行い、脂肪が燃焼しやすい体を目指しましょう。

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